講義の録音をノートにする方法:全部見直さずに

結論

授業中は短くノートを取り、わからなくなった場面に時刻を記します。あとで録音のその時刻だけを見て抜けを埋め、ノートを問いに変えましょう。講義を丸ごと見直すと何時間もかかり、読み返しと同じ弱い勉強法になります。

落ち着いたモノクロの模様の上に、タイトル「講義の録音をノートにする方法:全部見直さずに」を配置したカバー画像

すべての講義が動画で残っていると、安全網があるように感じますし、実際そうなることもあります。ただ、録音があると授業中に聞くのをやめたり、試験前に何時間もの映像を見直したくなったりします。よい講義の録音ノートは、録音を一つの狭い役目にだけ使います。すでに取ったノートの抜けを埋めることです。このガイドでは、その作業を短く済ませる流れを紹介します。

講義の録音は、丸ごと見直すべきですか?

たいていは見直さなくて構いません。講義をもう一度通して見るのはノートの読み返しと同じ受け身の復習で、講義と同じだけ時間がかかります。わかりにくいと印をつけた部分だけ見直し、浮いた時間を自分を試すことに使いましょう。

見直すと、2回目は内容に見覚えがあるので、はかどった気になります。しかし見覚えがあることと、覚えていることは別です。RoedigerとKarpickeの有名な実験では、文章を4回勉強した学生は、5分後のテストで最高の成績でした。ところが1週間後は最低で、文章の40%しか思い出せませんでした。一方、1回勉強してから3回自分を試した学生は61%を思い出しました。

繰り返し勉強した場合と繰り返しテストした場合の、5分後と1週間後の再生率を比べた棒グラフ
実験2、文章を再生できた割合。出典:RoedigerとKarpicke、2006年。

丸ごと見直すのは、講義版の「4回勉強」です。見直した晩は優位でも、試験の週には負けます。録音が最も役立つのは、繰り返し流す番組ではなく、検索する資料として扱うときです。

講義の録音から、順にノートを取るにはどうしますか?

授業に出て、わかりにくい場面の時刻を記しながら短くノートを取ります。同じ日にその時刻へ飛んで抜けを埋めます。それから短い要約と問いを書き、2日後にその問いで自分を試します。

講義の録音をノートと自己テストの問いに変える5つの手順

手順1:それでも、その場でノートを取る

録音があっても、授業中にノートを取りましょう。何を書くかを選ぶことが、講義を処理することです。MuellerとOppenheimerの研究では、ノートを入力した学生は講義を一語一語書き起こしがちで、自分の言葉で書いた学生より、概念を問う問題の成績が悪くなりました。録音があれば一字一句写す意味はないので、書く量を減らし、考えることを増やしましょう。

手順2:抜けを時刻で記す

話の筋を見失ったら、追いつこうとしないでください。教室の時計かスマホで時刻を記し、聞き続けます。「23:40、2つ目の導出がわからなくなった」のようなメモは3秒で書け、あとで動画全体をさがす手間を省いてくれます。多くの講義では、印は3〜6個になります。

手順3:同じ日に、狙って1回だけ見る

録音を開き、各印に飛んで、抜けが埋まるまでだけ見ます。わかっている部分は少し速く再生して構いません。わかりにくい部分は止めて、速度を落とします。学んだことは別の色でノートに足し、どの考えに労力がかかったか見えるようにします。

講義の録音ノートには、どれくらい時間をかけるべきですか?

狙って見る方法なら、50分の標準的な講義で15〜25分を見込みます。印をつけた時刻に10〜15分、要約と問いに5〜10分です。止めながら丸ごと見直すと、講義そのものより長くかかることも珍しくありません。

1つの講義について、丸ごと見直す場合と狙って見る場合の時間配分を例示して比べた図

この数字は計画の目安で、測定値ではありません。有機化学のような内容の濃い授業は、もっと長くかかります。大事なのは配分の形です。時間の大半は、見ることではなく、圧縮と自己テストに使いましょう。講義の録音ノートに講義そのものより長くかかり続けるなら、抜けを埋めるのでなく、書き起こしている印です。

実例

経済学の講義が価格弾力性を扱うとします。授業中に短いノートを取り、2つの抜けに印をつけます。「14:10、ぜいたく品が弾力的な理由を聞き逃した」と「38:30、中点公式がわからなくなった」です。その晩、14:10に飛んで4分、38:30に飛んで6分見ます。2つの説明を青で足します。次に要約を書きます。弾力性は価格に対して需要量がどれだけ反応するかを表す。代わりの財が近い財やぜいたく品はより反応する。中点公式はどちらの方向でも同じ答えになる。最後に「インスリンの需要がなぜ非弾力的か」のような問いを3つ書きます。合計は約20分で、講義の録音ノートには、すぐ使える自己テストまで含まれています。

講義を完全に欠席してしまった場合は?

通常の速さで1回だけ見て、教室にいるつもりでノートを取り、難しい部分には時刻を記します。一文ごとに止めないでください。止めるとノート取りが書き起こしに変わり、時間がかかるうえ学べる量も減ります。

授業を休むことはあり、録音があれば取り戻せます。学生が録音をどう使うかの研究では、多くの学生が補助として扱っていることが示唆されています。TechTrendsに掲載された、ニュージーランドの大学の学生660人の調査では、学生は録音を出席の代わりでなく併用として使い、病気や仕事で授業に出られないとき役に立ったと答えました。

講義を丸ごと見る必要があるなら、コーネル式ノートのような構造が受け身にならないようにしてくれます。見ながら右側にノートを取り、あとで左側に問いを書きます。YouTubeのオンライン講義については、YouTube講義の要約で、チャプター、文字起こし、再生速度の設定を解説しています。

文字起こしやAIの要約で代用できますか?

文字起こしは、検索や引用の確認には便利ですが、通して読むのは遅い読み返しにすぎません。AIの要約は、講義の構造をすばやく示してくれます。どちらも、自分のノートの代わりでなく、確認として使うのが最適です。

LearnKitのiPhoneアプリは、講義を録音して、要約、暗記カード、クイズの問題に変えられます。構造をざっと確認したり、自分を試す問いを得たりするのに便利です。ただし出力は自分のノートと照らして読んでください。要約は何が話されたかを教えてくれるだけで、何を理解したかを示すのはあなたのノートです。

保存した録音はPDFやノートと並び、要約やクイズにすぐ変えられます。

どの講義も、ノートだけでなく問いで終えましょう。方法は、ノートを暗記カードにする方法とノートから自分で問題を作る方法で解説しています。教材を圧縮する全体像は、教科書の要約のやり方を見てください。

よくある質問

講義は出席するのと録画を見るのと、どちらがよいですか?

出席できるなら、たいてい出席のほうがよいです。リアルタイムでノートを取り、質問もできます。録音は、抜けを埋めたり、休まざるをえなかった授業に追いついたりするために使いましょう。

録画講義の再生速度はどれくらいがよいですか?

狙って見るときは、半分わかっている部分は通常より少し速くて構いません。わかりにくかった部分は速度を落とすか止めます。速すぎると、自分の言葉でノートを取りにくくなります。

講義の録音を文字起こしすべきですか?

手作業ではおすすめしません。手での文字起こしは何時間もかかり、ほとんど言葉を写すだけです。学校が文字起こしを提供しているなら、用語の検索や細部の確認に使い、自分で短いノートを書きましょう。

授業のどれくらいあとに録音を復習すべきですか?

迷った場所をまだ覚えている同じ日が理想です。無理なら2日以内を目指し、同じ授業の次の講義の前には必ず行いましょう。

参考文献

  1. Test-enhanced learning: taking memory tests improves long-term retention, Psychological Science (Roediger and Karpicke, 2006) (実験2:繰り返し勉強は5分後83%、1週間後40%。繰り返しテストは71%と61%。)
  2. The pen is mightier than the keyboard: advantages of longhand over laptop note taking, Psychological Science (Mueller and Oppenheimer, 2014) (一字一句の書き起こしは、概念を問う成績の低さと関連していた。)
  3. Sentiment Analysis of Student Engagement with Lecture Recording, TechTrends (2021) (学生660人の調査。録音は出席の代わりでなく補助として使われていた。)